痔闘病記 神戸・大阪編

1-2 めり込んだパチンコ玉

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肛門の痛み。字にすると滑稽だが、痛みは尋常ではない。証拠に、自慢ではないが、俺はその時の会議の内容を、はっきりいって、なんにも覚えていない。
だが、俺がとった行動はしっかりと脳に残っている。

トイレに、おしりチェックに行ったんだ。

俺の家の家訓は、善は急げ。思い立ったらGO。
当時俺のデスクがあったオフィスの22階の、トイレの個室で服を勢いよく脱ぎ、俺の人差し指をそっとあてがう。

「おしりに、パチンコ玉が埋まってるよ」

いや、この俺の肛門にめり込んだパチンコ玉(みたいな腫瘍)が痛みの原因と誰が決めた? こいつは仮説の一つにすぎない。ビジネスも肛門も同じだ。仮説はすぐに検証するに限る。
パチンコ玉をぐいっ、と押してみる。

「死ぬほど痛い。。。」
気絶するかと思った。

15分後、荷物をまとめた俺は上司にドライに言い放った。

「おしりが痛いので帰ります」

そんな目で見ないでください。わかってる。俺はプロジェクトの要。取り替えのきかないピースだ。しかし、目の前の利益でなく、中期的な成功をおさめてこそ、真のビジネスリーダーだ。その時、俺は自分の姿を、小型トランジスタを開発後、権利の売却という目の前のキャッシュではなく、中期的に育てる道を選んだソニーの盛田氏に重ね合わせたという。

そして、大阪天満の自宅に帰宅後、googleで肛門について調べ始めたのである。

2 Comments

  1. コメントせずには入られなくなって出てきちゃいました。
    筆者にこんな大事件が起こっていた22F。同じ場所にいたのに、ここまでひどいとは知らず、優しい言葉を掛けてあげれなくてごめんなさい。でも、気になって、デスクは見に行ったんですよ。
    面白すぎます!!

  2. 美子さん
    すいません、名前のみではどなたかわからないのですが、間違いない同僚の方ですね。はい、ある時期は、参勤交代のように私のデスクに人が訪れる時期ありました。はい、結構大変だったんです。みんな笑ってばかりでしたけど(笑)古き良き思い出ですね。
    > コメントせずには入られなくなって出てきちゃいました。
    > 筆者にこんな大事件が起こっていた22F。同じ場所にいたのに、ここまでひどいとは知らず、優しい言葉を掛けてあげれなくてごめんなさい。でも、気になって、デスクは見に行ったんですよ。
    > 面白すぎます!!

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