痔闘病記 神戸・大阪編

1-1 始まりはいつも突然に

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「人生とは、生まれてから予定された以外のことを生きること」
イヌイットの言葉でそんな言葉があった。

外資系メーカーのマーケターとして順風満帆だった俺に訪れた、予定外の数々。その瑞々しい記録を残したいと思う。 記録を渋る私に最後の一押しをしてくれたSさん、Iくんの嫁に感謝を込めて。

2008年の6月、入社から4年目の俺は、ヘアケアのブランド刷新プロジェクトを担当していた。
「若いときから権限を」 就職活動の時に聞いた私の会社のキャッチフレーズに齟齬はない。ブランディング、投資戦略、広告戦略、、、全てをまとめて、私がプロジェクトリーダー。

全てを一新する新製品の発売を数ヶ月に控え、その日はマーケティングディレクターを含めて、ごく少人数の会議が行われていた。新製品の発売まで、できる限りの全てを尽くす。 ディテールにこそ神は宿る。

そんな部屋の雰囲気がいつもと違う。いや、違うのは部屋じゃねぇ。俺だ。何かが、何かが、おかしい。 俺は、長期のプロジェクトにも耐え抜いていた、自分の体の内なる声に耳を傾けてみた。

「おしりが、痛いよ

俺は耳を疑った。 そんなわけはない。 俺は入社4年目の27歳、極めて健康、毎晩アブフレックスで鍛え上げた鋼の体だ。 何人も俺のプロジェクトを止められないはずだ。 もう一回念のため俺の体に聞いてみる。

「肛門が痛いよ。なにかができてるよ」

 

おしりが痛いだけだったらパーセプションマターだ。

だが、肛門になにかできているのはファクトフルネスに溢れている。

 

俺は混乱した。

世の中に怖いものなどない、そう信じて行きてきた外資系マーケターの俺。そんな俺が、肛門にリスクをキャリーしているなどと認められるだろうか。いや認められない。

俺はマーケティングディレクター茂山達との会議に、痛む肛門をパンツに刺激されながらいそいそと戻っていった。この日が、本当に怖いものは肛門の痛みだと痛感することになるDay1、に後日なるとは知る由しもなかった。

 

2 Comments

  1. ミチエさん、
    メッセージありがとうございます。
    > Facebookに書かせていただきました。
    ソーシャルの時代を切り拓く、痔ブログへと羽ばたく所存でございます。ぜひ8億人に向けてシェアをしていきましょう。ありがとうございます。

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