痔瘻（痔ろう）はどのように進行するのか
痔ろうへの進行は大きく二段階あります。
まずは「肛門周囲膿瘍」という段階です。（1-8参照）
直腸と肛門の境あたりに歯状線という部分にくぼみ（通常誰でも8-12個のくぼみがある）があります。「肛門周囲膿瘍」とは、そのくぼみに細菌が入り、炎症が発生して膿がたまり、どんどんおしりの皮膚の方向へ膿の通り道が伸びていく状態です。最終的には肛門の脇あたりがぽっこりしてきます。私がスマホを使って撮影して見たときに、口からはこぼれ出た言葉は「おぉ、肛門界のマスカットよ」。
私のブログを丁寧に読んでくださっている方は、もうマストのパワーワードですね。
「マスカット」と聞いたら「肛門周囲膿瘍」と、
「肛門周囲腫瘍」と聞いたら「マスカット」と、
脊髄で思い浮かべる方も増えてきたのではないでしょうか？
肛門周囲腫瘍への対処は？
この「肛門周囲膿瘍」はメスで切開して膿を流すしかありません。
下記の図で見ていただけるように、切開したら、歯状線からおしりの皮膚へとつながるトンネルが開通します。
このトンネルができあがった状態（第二形態）、これこそが「痔ろう」なのです。
私が、「二つの肛門を持つ男」と呼ばれる所以ですね。
次回の痔ナレッジでは、痔ろうの手術法に迫っていきます。